2013年6月22日 星期六

Toshiko Akiyoshi - The Many Sides Of Toshiko (1957)




























アルバムタイトル
The Many Sides Of Toshiko ~ Toshiko Akiyoshi

パーソネル
Toshiko Akiyoshi (p)
Gene Cherico (b)
Jake Hanna (dr)

録音 
1957年10月

収録曲
A-1 The Man I Love
A-2 Minor Mood
A-3 After You’ve Gone
A-4 We’ll Be Together Again
A-5 Studio J

B-1 Toshi’s Fantasy
B-2 Bags Groove
B-3 Imagination




Beautiful~





穐吉敏子さんの初期のピアノ・トリオです。

穐吉敏子さんはヴァーヴ・レーベルに3枚のリーダー・アルバムを録音しています。 最初は1953年11月に東京で録音したアルバム「アメイジング・トシコ・アキヨシ」で、来日中のオスカー・ピーターソンに認められて急遽録音したことは有名ですね。 2枚目は1957年録音の「トシコ・アンド・レオン・サッシュ・アット・ニューポート」、3枚目が本盤です。 最初のアルバムは米国でも評判になりダウン・ビート誌にも取り上げられたそうで、1956年1月にバークリー音楽院の奨学金を得て渡米するきっかけを作ったとも言えるアルバムです。 渡米した年の1956年に穐吉さんはストーリーヴィル・レーベルに2枚のリーダー・アルバムを録音していますので、本作は二つのレーベルを合わせると5枚目のアルバムとなります。 渡米して1年半以上が経過し、ようやく落ち着いた頃の録音なのかもしれません。

穐吉さんはバド・パウエルを信奉し、当時の女性ジャズ・ピアニストとしては力強いタッチが特徴だったようです。 本盤を聴いてもそれが分かります。 A-2の Minor Mood はクリフォード・ブラウンの曲で、穐吉さんは渡米前にも日本で自分のバンド、コージー・カルテットで演奏していた曲だそうです。 弾き慣れた曲と言うことで、切れ味のよいアドリブ・ラインが魅力です。 A-5の Studio J は穐吉さんの自作曲です。 曲名は、バークリーでインプロヴィゼーションの演習が行われたスタジオの名前だとか。 私はこの曲が大好きです。 1976年に録音したトシコ=タバキン・ビッグ・バンドのアルバム「インサイツ」のA面1曲目として収録されています。 何回聴いたことでしょうか。 本盤の演奏は、とてもイイ感じですが、ビッグ・バンドの演奏の方が編曲がすばらしく迫力もあって好きです。 ピアノ・トリオの演奏とビッグ・バンドの演奏を比べること自体、あまり意味が無いですが・・・。

穐吉さんが渡米した1956年(昭和31年)は、随分前だなぁ、ということになりますが、穐吉さんの著書によると、当時はアメリカは年間3人しかアジア人の移民を受け入れないという人種偏見とも思える状況で、単に入国するためにも仕事関係なら現地の会社との契約書、留学なら現地の学校の入学許可証が必要だったそうです。 そのような中で単身渡米し、翌年にこのアルバムを録音したと考えると、音楽とは別の意味で、頭が下がります。 ちなみに、1956年に日本で何があったか調べると、東海道本線が全線が電化された、日本が国連に加盟した・・・などがありました。

その翌年、私がまだ5歳のころに日本人の女性が米国で録音したピアノ・トリオのアルバムだと思って聴くと、不思議な気持ちになります。



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